漫画感想:ホクサイと飯
最近,Kindleで年中漫画を読んでいるので,気に入った作品を適当に紹介していく.
Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi
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- 発売日: 2015/06/30
- メディア: エレクトロニクス
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Kindleは海外版Touchをわざわざ買ったり,Paperwhite買ったりしたけど,結局iPad miniのアプリで読むほうが多い.特に漫画を読む分には,タブレットの方がよい.文章ならPaperwhiteは便利だけど.
なんとなくKindleで読むのは,料理・食事を取り扱ったものが相性がよい気がする.というかストーリーものより,短編集的なものを寝際に読むのがよいというか.グルメ漫画は昔から盛況な分野だけど,最近は差別化のために,色々特徴づけが大変だなと読んでて思ったり.自分の印象だと孤独のグルメが当たっていこうのブームの流れな感じだけど,読むものが尽きなくて嬉しい.
ホクサイと飯
そんな中で,そこまでキャッチな特徴があるわけではないのだけども,絵柄共々気に入っているのがホクサイと飯という漫画である.主人公は売れない漫画家.彼女が料理を作ったり,食べたりするだけの漫画なのだけども,彼女の持ち物のホクサイというぬいぐるみが,料理場面や主人公の心理描写へとツッコミを入れる.ぬいぐるみのホクサイの声が,単に主人公が一人芝居してる部類なのか、実在するキャラなのか、微妙な立ち位置で,主人公への行動へのツッコミのテンポも含めて,よい.そしてなによりかわいい.
料理・グルメ漫画というと,多かれ少なかれストーリーには一種のテンプレートが存在するのだけど,この漫画の中の8つのストーリーはかなり多様性に飛んでいる.主人公が漫画家のため漫画の話がストーリーに練りこまれることが多い.例えば,食材を買いがてら,漫画のストーリーを妄想しているうちに,ストーリーのセリフが大福の作り方が練りこまれていってしまうという話は,ちゃんとベターなバトルものの感動シーンの台詞が,大福の作り方に綺麗に置き換えられている.
基本的に,出てくる料理はおろし蕎麦だったり,干し柿を使った大福,栗ごはん,雑煮だったり,派手さもないし,むっちゃ簡単というわけでも,むっちゃ技巧的でもない料理.主人公も料理がとても下手なわけでもないし,カツオまるごともらって,おろそうとしてキッチンを血まみれにしてしまうくらいにうまいわけでもない.
一方で,ひたすらに食べることや食べる準備をすることが好きということだけは伝わってくるので,この漫画を読んでいるととても幸せな気分になる.
というわけで,特徴をあげつつおすすめしてみましたが,一番の特徴は押し付けがましくはないさじ加減での,ポエティックな漫画的描写が,他の料理・食事漫画と一番違う特徴だろう.
このような描写が好みの人は是非一読を.
主人公が漫画家になる前の大学時代の話が続編として,観光中.