かえるのれきしたい

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映画感想:スター・ウォーズ/フォースの覚醒


「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」予告編

eiga.com

 昨年までちゃんとエピソード1から6まで見たことがない人の感想です.

 旧作への雑な感想

 これまで,スターウォーズをほとんど見たことがなかったけど,エピソード7公開するということで,見始めるも.識者の意見を参考にエピソード4から6まで見るも,あんまり乗りきれなかった.むしろ,その後みたエピソード1のほうが,面白かったなっと.まぁ,理由は偉大な作品過ぎて,その後のフォロワー作品を自分が見てきたせいで,あんまり新鮮味がないこと,ストーリーも有名過ぎて,大体知ってるという点,そしていくら理由付けを聞いてもライトセーバーのアクションシーンが燃えない,という点で乗りきれず.まぁ20年以上前の作品で,大筋も知っているのに,なんとか見通させるだけの魅力があるともいえるけども...

偉大な物語が与えるもの

  そんな旧作への思い入れが一切ない自分であっても,この映画が旧作という偉大な物語から大きな影響を受けていることがわかる.それは単に,映画の中で様々なオマージュがなされているという点だけではない.

 旧作の主役であったハン・ソロレイア姫,ルークの3名が,今回の映画には出ている.この3人の役者が多かれ少なかれ,良かれ悪かれ,スターウォーズにでたことに影響を受けた人生なわけで,スターウォーズシリーズに対して,色々思いがあるのだろうなということは,色々聞いたことはあるし,想像できる範囲である.なので,ハン・ソロが出てきて,We're homeという第一声や,神話と化した昔の話が真実なのだと語る場面,レイア姫ハン・ソロに対して,色々あったと話す場面,そして最後にルークがレイによって見つけられた場面において,見つけて欲しかったのだけども,見つかりたくもなかったかのような,あの表情.彼,彼女らの表情には,実生活にまで与えた物語へともう一度触れることへの畏れとも,喜びとも言い切れない,たぶんこの映画の中でしか見れないものが含まれている.

 一方で,それは新たな主人公たちであるレイ,フィンたちの振る舞いの中にも,例えば,ミレニアム・ファルコンに乗り込んだ二人が,自分ができるんだと言い聞かせることや,うまくできたことへの狂騒的ともいえるような褒め合いには,旧作を再出発させるということへの喜びと緊張を読み取れることができる.

 なので,この映画は旧作という偉大な物語を無視するわけでも,模倣するだけでもなく,尊敬をもって挑戦をしたものであり,だから私はこの映画を見ることで,この偉大な過去の凄みとそれへの挑戦に感動するのである.

 そして,この構造は,きちんとストーリーラインに取り込まれているのではないかと想像する.レイやフィンは,エピソード7の中で,自分の過去がもう一度やってくることを待ち続けるキャラであり,過去に待つのではなく,未来へ動き出すことで成長する人物といえる.そして,もう一人のカイロ・レンというキャラクター は,エピソード1から始まる因果の末端にいる人物である.彼はある過去へは縛られ,ある過去へは反発し消し去ろうとしている.

 

 スターウォーズという,偉大なシリーズの新作であるからこその物語を見れたなという満足感を得ることができた作品だった.